このニュースが報じられた年月日
2025年6月30日
同じニュースを報じている記事一覧とリンク
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- HOKUTO: 【速報】MASLD､ MASHの日本語名決まる
このニュースの3つのポイント
- 従来の「非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）」は、「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患（MASLD）」という新名称に変更された。
- この変更は、“alcoholic”および“fatty”は不適切用語と見なされることである。
- 脂肪肝の原因が「アルコールではない」ことよりも「代謝異常である」ことをより明確にする意味もある。
- 新名称は、脂肪肝が糖尿病や高血圧など全身の生活習慣病と密接に関連する病気であることを示し、早期の対策を促す。
事件の概要
近年の医学会において、これまで「NAFLD（ナッフルディー）」と呼ばれてきた脂肪肝の疾患名が、「MASLD（マスルディー）」へと世界的に変更された 。これは単なる呼び名の変更ではなく、この病気の本質的な原因が、肥満や糖尿病といった代謝機能の異常にあることを明確にするための、医学的なパラダイムシフトである 。
事件の背景と解説
健康診断で「脂肪肝」を指摘された経験を持つ人は少なくないだろう。これまで、多量の飲酒をしない人の脂肪肝は「非アルコール性脂肪性肝疾患（NAFLD）」と呼ばれてきた。
しかし、“alcoholic”および“fatty”は不適切用語と見なされる、ということである。
確認すると、「alcoholic」には「アルコール依存症」の意味があり、また「fatty」には、太った人に対する軽蔑的な意味があるほか、葉巻に似た形と大きさで、グループで共有して消費されることが多い大型のマリファナタバコの意味があるようだ。
また、この名称には「アルコールが原因ではない」という消極的な意味しかなく、真の原因が曖昧だった。今回の「MASLD（代謝機能障害関連脂肪性肝疾患）」への名称変更は、この病態をより積極的に捉え直すものだ。MASLDと診断されるには、脂肪肝があることに加え、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった心血管代謝系の危険因子を1つ以上持つことが条件となる 。つまり、MASLDの診断を受けた時点で、その人の肝臓の問題が、全身の生活習慣病のネットワークの一部であることが明確になる。これは患者と医療者にとって大きな意味を持つ。肝臓は「沈黙の臓器」と言われ、自覚症状が出にくい。しかし、MASLDは、放置すれば肝炎（MASH）、肝硬変、さらには肝がんへと進行するリスクがあるだけでなく 、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクも高める 。この名称変更は、脂肪肝を「単なる肝臓の不調」ではなく、「全身の健康に対する危険信号」として捉え、食生活の改善や運動といった根本的な生活習慣の見直しを、より早期から、より強く促すことを目的としている。健康保険制度においても、この新しい診断基準は、将来的に予防医療や治療薬の適用範囲に影響を与える可能性がある。
登場するおもな固有名詞
- MASLD/MASH:(NAFLD/NASHはMASLD/MASHにーMASLD/MASHの日本語名称が正式に決定！)
- 日本肝臓学会: 一般社団法人日本肝臓学会
- 日本消化器病学会: 一般財団法人日本消化器病学会
この事件をより深く知るための関連情報
- 生活習慣病: 生活習慣病を知ろう！（厚生労働省 e-ヘルスネット）
- 脂肪肝の診断ガイドライン:(https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00611/)
- 日本消化器病学会: 再掲 NAFLDの名称と分類法の変更について
まとめ
脂肪肝の名称が「NAFLD」から「MASLD」へと変わったことは、この病気に対する医学界の理解が深まったことを示す重要な進展である。この変更は、脂肪肝が全身の代謝異常の表れであることを強調し、患者と医療者が一体となって、より本質的な生活習慣の改善に取り組むきっかけとなる。健康診断の結果を正しく理解し、早期に行動を起こすことが、将来の健康を守る鍵となる。
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